■ 岐阜県各務原市の概要
・各務原市の位置
岐阜県の南部、濃尾平野の北部 市役所:東経136度51分05秒、北緯35度23分44秒
・各市までの距離 岐阜市の中心部へ約8キロ、名古屋市へ30キロ
・河川 南に木曽川が東西に県境となって流れる
・近隣市町村
北部と東部は、標高200メートルから300メートルの山を境にして関市、加茂郡坂祝町、西は岐阜市、 南西部は羽島郡笠松町、岐南町に隣接
・市域面積 87.81平方キロ
・地勢
標高30メートルから60メートルの各務原台地、7メートルから20メートルの台地周辺平野
200メートルから300メートル の北部および東部丘陵地
東西約15.5キロメートル、南北約10.1キロメートルからなる
・地質
各務原台地:洪積層の 黒ぼく土壌
各務原台地周辺部:木曽川、長良川によって堆積された沖積層
北および東部丘陵地:秩父古生層の砂岩、チャート層
■ 空家等対策について
・総住宅数は 6063 万戸と,5年前に比べ,305 万戸(5.3%)増加
・空き家数は 820 万戸と,5年前に比べ,63 万戸(8.3%)増加。
空き家率(総住宅数に占める割合)は,13.5%と 0.4 ポ
イント上昇し,過去最高
・別荘等の二次的住宅数は 41 万戸。二次的住宅を除く空き家率は 12.8%
共同住宅数は2209万戸で,住宅全体に占める割合は上昇し,42.4%
持ち家住宅率は上昇し,61.9%
【平成25 年住宅・土地統計調査(速報集計) 結果の要約 総務省統計局】より
近年、地域における人口減少や既存の建築物の老朽化により全国的に空家が増加しており、各務原市でも将来的に増加していくことが予想されています。その中でも、適正な管理がなされていない空家は、安全性の低下、公衆衛生の悪化などにより地域の生活環境に深刻な影響を及ぼします。
このような状況から、国においても「空家等対策の推進に関する特別措置法」が平成27年5月26日に全面施行され、本市でも当法律に基づき、空家等対策に取り組んでいます。
空家等がもたらす問題が多岐にわたっていることをふまえ、すべての市民が便利で快適に暮らせる魅力的な都市空間の形成のため、本市にの空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施することを目的に「各務原市空家等対策計画」を策定しました。
■ パブリックコメント
各務原市の空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、「各務原市空家等対策計画(案)」についてパブリックコメントを実施しました。
その結果、1名の方からご意見をいただきました。いただいたご意見と市の考え方は下記のとおりです。
提出されたご意見は、趣旨を損なわない程度に要約し、できる限り内容ごとに整理・分類した上で、市の考え方を示しています(順不同)
【「各務原市空家等対策計画(案)」に関するパブリックコメント(意見公募)の実施結果】
【意見内容】<空家等の今後の活用>
賃貸したくても?と不安を持つ持主さんも大変多くいます。
その不安を消してくれる相談窓口を増やすことが必要だと思います。
【市の考え方】
ご意見のとおり、空家等を取り巻く問題や課題は多岐にわたり、不安を抱えている所有者等も多いと思います。「第 7 章 住宅等から空家等に関する相談への対応に関する事項」にお示ししたとおり、本市では空家等に関する様々な相談に対し、関係各部局や、市民相談業務とも連携し、相談内容に合わせた幅広い対応をしてまいります。
その他にも、「第 4 章 1.空家等発生の予防の推進」にお示ししたとおり、所有者等に対するセミナーや相談会を開催するなど、相談できる機会の充実も図ってまいります。
【意見内容】<空家等発生の予防の推進>
現在、すでに空き家になっているところにアプローチも必要だが、なかなか動いてくれない。
これから空き家になるであろう予備群にどれだけアピールできるかが鍵。
【市の考え方】
ご意見のとおり、空家等の増加が予想される中、新たな空家等の発生を未然に防ぎ、抑制することが重要です。
「第 4 章 1.空家等発生の予防の推進」でお示ししたとおり、広報紙や市ウェブサイト、チラシ、セミナーや相談会の開催等、様々な機会を通じて所有者等を含め広く市民に空家等が地域へ与える影響の重大性や所有者等の負うべき責務等の周知・啓発を行ってまいります。
そして、空家等になる前から自らの責任で対策を講じていけるよう意識の浸透と理解の増進に努めてまいります。
【意見内容】<危険性の高い空家等の早期発見>
危険性の高い空家(特定)を空き家対策に入れず、有効活用と危険空家に分けて対策した方が良いと考えます。
【市の考え方】
「第3章 空家等の調査に関する事項」では、住民の安全・安心の確保を目指し、危険性の高い空家等の早期発見を進めるため、調査を行うこととしています。
その調査の結果、特定空家等を含めた空家等で利活用が可能な物件につきましては、「第 5章 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進に関する事項」でお示ししたとおり、所有者との調整を図りながら、利活用の推進に努めてまいります。
【意見内容】<成約件数>
いかにも少ない数では?市の広報紙等の露出度は多いが…?
【市の考え方】
本事業は、「しあわせ実感かかみがはら総合戦略」、「シティプロモーション戦略プラン」にも位置付けられ、平成 31 年度末までに 15 件の成約を目指しております。
この取り組みは、貸主・借主の想いを尊重し、DIY を行う範囲や家賃など、じっくりと話し合い、調整を行うため、通常の賃貸に比べ、時間を要することになりますが、双方が納得して進めることで得られる“自分らしい暮らし”が、シティプロモーションにおいて重要であると認識しております。
今後も引き続き、各種媒体で本事業を広報していくとともに、 「第 5 章 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進に関する事項」でお示ししたとおり、民間事業者等と連携し、貸主・借主双方に働きかけるなどの仕組みを模索しながら、本事業を持続可能な取り組みとして確立できるよう、一層努めてまいります。
【意見内容】<固定資産税の特例>
更地にすると固都税が 6 倍になるからそのまま空き家にしておくという意見をよく聞きます。
特定空家になると建物があっても固都税が上がるわけですが(ムチ)、アメが必要だと思います。
例えば、DIY 賃貸に登録すると安くなるとか?更地にして緑にして管理をしっかり行えば固都税はそのままなど。
【市の考え方】
所有者等が空家等の対策において、経済的な支援に限らずメリットを得られるしくみは大切であると考えますが、その実施には、必要性、効果性や平等性など総合的に慎重な判断をしていかなければなりません。いただいたご意見は空家等の適正管理や利活用案の一つとして、今後の参考とさせていただきます。
【意見内容】<その他>
モデル地区をもし、選定するのならば小・中学校が近くの団地などを選定すべきです。
【市の考え方】
空家等に対する施策を実施するため、モデル地区を選定する必要がある場合には、課題や事業の効果性、先駆性などを総合的に判断していくことになります。
いただいた意見につきましては、今後の参考とさせていただきます。
【意見内容】<その他>
空き家ではなく、人は住んでいるが危険性の高い建物も増えつつあります。
特に通学路沿いにおいてパトロールや自治会で把握する必要あり。
【市の考え方】
空家法に基づき指導等を行うことができない建物に対しては、他法令等に基づき対応を検討してまいります。
本市では、「第 4 章 1.空家等発生の予防の推進」にお示ししたとおり、空家等を含めた危険な建物が及ぼす影響を周知・啓発し、空家等になる前から自らの責任で対策を講じていただけるよう、意識の浸透と理解の増進に努めてまいります。
また、パトロールや把握等につきましては、今後の参考とさせていただきます。
● 各務原市空家等対策計画 (平成30年3月 PDFファイル 1.4MB)
第1章 空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針
1.計画策定の背景と目的...
2.現状と課題
3.空家等対策の基本方
4.対象とする地区及び空家等の種類
5.計画の位置づけ
第2章 計画期間
第3章 空家等の調査に関する事項
第4章 所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項
1.空家等発生の予防の推進
2.空家等の適正管理の推進
第5章 空家等及び除却した空家等に係る跡地の活用の促進に関する事項
第6章 特定空家等に対する措置その他の特定空家等への対処に関する事項
第7章 住民等から空家等に関する相談への対応に関する事項
第8章 空家等に関する対策の実施体制に関する事項
●参考資料 アンケート結果(抜粋)
●参考資料 関連法令等
● 空家等の適正管理について
・周辺への影響
近年、住み手のいなくなった空家等が増加し、これらが適正に管理されないまま放置されていることにより、建築物の老朽化、防災性の低下、防犯性の低下、公衆衛生の悪化など、地域の生活環境に深刻な影響を及ぼし、社会的な問題となっています。
【建築物の老朽化】
人が使用していない建築物は、一般的に老朽化が進行しやすいといわれています。
劣化を防ぐには、定期的に点検や通風、通水などを行う必要があります。
【防災性の低下】
地震などの災害が発生した場合、倒壊や損壊により近隣の人や建物に損害を与える、避難路をふさぐといった防災上の大きな問題を招きやすくなります。
【防犯性の低下】
不審者の不法侵入や青少年の非行の場、ゴミの不法投棄を招きやすくなります。
またこれらが原因で火災の発生のリスクも上昇します。
【公衆衛生の悪化】
放置され繁茂した雑草・庭木の越境や、動物の住みつき、害虫発生、ゴミの放置による悪臭など、周囲の生活環境に悪影響を与えます。
・空家等の適正管理のために…
遠方にお住まいなどご自身での管理が困難であるという方のために、市と「空家等の適正管理に関する協定」を結んだ民間事業者が空家等の点検や庭木の剪定などを有償で実施しております。
● 借主負担DIY型空き家リノベーション事業
【あさけんクエスト】の提案を採用
この制度は、職員が直接、市長へ市政運営に関する新しい施策・事業などを、自由な発想で提案できるというもの。
庁内の組織力の向上を目的に、昨年から行われており、今回で2回目となります。
【若いアイデアで各務原市を盛り上げる!!】
【市と事業者の連携イメージ図】
「空き家を手放す気はないけれど、活用したい」という所有者さんと、「住宅を購入する気はないけれど、DIYをして自分らしい暮らしをしたい」という借主さんのマッチングや契約までの流れを、各務原市、民間企業、大学、金融機関が四位一体となってサポートする「借主負担DIY型空き家リノベーション事業」を行っています。
(注)「借主負担DIY型」とは、貸主が修繕義務を負わない代わりに安く貸し出し、借主が自費で修繕を行い、退去時は原状回復義務がない契約のことです
メリット
・現状のままで貸すことができ、修繕などの手間や費用がかからない。
(ただし、構造体の不具合や雨漏りなど、住宅の根幹部分は貸主の修繕義務)。
・借主が自費でDIYを行うので、長期間の入居が見込まれる。
・退去時、貸し出したときよりも設備などの価値が上がっている可能性がある。
・ライフスタイルに合わせて、空き家を自分好みに!
所有者(貸主)のメリット
・現状のまま貸出ができ、修繕などの手間や費用がかからない。
(柱や雨漏りなど、住宅根幹部分は除く)。
・借主自身が自費でDIYなどを行うことから、長期間の居住が期待できる。
・退去時、貸し出したときよりも設備などの価値が上がっている可能性がある。
利用者(借主)のメリット
・自分の好みにDIYができるので、持ち家と同じような感覚で住むことができる。
・修繕やDIYの費用が加味される分、賃料が相場よりも低く抑えられる。
・撤去時に、現状回復の義務が無い。
・
空き家活用事例紹介 OUR FAVORITE KAKAMIGAHARA 「FEATURE」
・「川の魅力」を知ってもらえる場所に
平工さんは、市内在住の川漁師。長良川で漁をする傍ら、漁舟の体験乗舟ツアーなど、川の魅力を伝える活動をしています。
オープンした店舗は「DIY型空き家リノベーション事業」を利用し、空き家を改装。市などが運営するクラウドファウンディング「FAAVO美濃國」で資金を集めました。「川の文化の情報発信拠点であり、誰もが気軽に集える場所を」という平工さんの思いから実現したもので、9月1日に那加桜町でオープンしました。
お店では、天然鮎や市内でとれたにんじんを使ったスイーツなどを販売し、今後は川魚を使った料理教室なども開催していく予定です。
この日、市役所を訪れた平工さんは、浅野市長に「夢を実現できたのは、周りの方々のおかげです。皆さんに、気軽に立ち寄ってもらえる店になれば」と、オープンの喜びを語りました。
・「DIY型空き家リノベーション事業」連携協定
市内にある空き家を有効活用する「空き家リノベーション事業」を推進するため、市は岐阜女子大学と、市内に支店を持つ金融機関と連携協定を締結しました。
市内には、空き家が2540戸あり、今後さらに増加することが予想されています。こうした問題を解消する手段として、市は国の地方創生加速化交付金を活用した「DIY型空き家リノベーション事業」を立ち上げました。
この住宅施策は、借主がDIY(Do it yourself:日曜大工)で空き家の改修をしながら、持ち家のように住むことができるというもの。今後は、「産官学金」が連携し、空き家所有者と借主とのマッチングや、資金融資などのサポート、デザイン提案など、積極的に事業展開を行っていきます。
・DIY型空き家「蘇原青雲町の家」が完成
今年度、市と岐阜女子大学、空き家リノベーション推進会議の3者協働で、蘇原青雲町にある築55年の木造平屋の空き家をDIYでリノベーションするプロジェクトに取り組んできました。
10月〜11月に、耐震や断熱、床貼り、壁塗りなどのを行い、改装が完成しました。この物件は、空き家リノベーション推進会議のメンバーが借り、又貸しを行うサブリース物件として、今後新たな借主を募集していきます。
床に長良杉を使用し、白い壁を基調にした家はとても明るく、おしゃれな空間に。足を踏み入れた学生や不動産関係者の皆さんは、思わず歓声を上げるほどに仕上がりました。
空き家所有者の加藤実さんは、「こんなに変わるなんて驚きました。若い方に住んでもらえそうです。家が生まれ変わりました」と頬を緩めました。内装案を提案し、実際にDIYリノベーションに携わった岐阜女子大学生活学科住居学専攻の南井梓さんは、「人が使うことを想定した設計は初めてでした。完成を迎えられて、とてもうれしいです。私たちが住みたいくらいです」と笑顔で感想を話しました。
・今後の事業展開や課題について
・契約実績 平成28年度3件 平成29年度7件 平成30年度10件 令和元年度6件
・空き家の掘り起こし
・DIYにそぐわない方の申し込み
・DIYをする必要のない物件の流通方法 広報課移住定住プロジェクトと連携
※最近の事例では、推進会議メンバーが、登録物件を借りリノベーションを行い、借主を探す。
■ 空き家の発生を抑制するための所得税および個人住民税の特例措置 ...
空き家の発生を抑制するための所得税および個人住民税の特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)について
被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)または取り壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋または土地の譲渡所得金額から3,000万円を特別控除されます。
(注1)所得税については、税務署にお問い合わせください。
(注2)個人住民税については、市民税課にお問い合わせ下さい。
・制度概要 (PDFファイル 356.0KB)
・国土交通省ホームページ
・国税庁ホームページ
■ 空き施設の利活用・リンク集
■空き家の予防・管理・利活用について
■空き家の予防
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■相続財産に空き家がある場合
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■不動産登記について
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■所有者責任と火災保険
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■空き家管理について
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■空き家バンクの活用
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■空き家バンク利活用 【賃貸入居者が物件を購入】
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■空き家バンク利活用 【住宅利用】
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■所有者が抱える問題の解決事例 【サブリースでの賃貸事例】
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■空き家バンクを活用した利活用
【昔は食堂をされていた物件、住まいとしては使い勝手が悪く、買い手がつかなかった】
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■ 吉村優子
「空き家対策」『DIY型空き家リノベーション事業』について
この事業を進める上で、市役所内のまちづくり推進課・建設指導課・税務課『3課の連携』のうまさを感じました。
行政では『横の連携』は、どの事業を進める上でも必須です。
うまく連携をとり、協力してスムーズな事業の推進が可能となっています。
『DIY型空き家リノベーション事業』を生み出した市長の浅野健司の【あさけんクエスト】。
この制度は、職員が直接、市長へ市政運営に関する新しい施策・事業などを、自由な発想で提案できるというもの。
庁内の組織力の向上を目的に行われています。
提出された提案の公開審査会が行われ、職員それぞれが自分たちのアイデアをプレゼンし、審査を経て採択された提案については、来年度以降の予算化され、事業として進められていきます。
これらの職員からの提案は、10年、20年、さらにその先に、どのような各務原市になっているのかを想像して『職員のやる気』、『庁内の組織力の向上』に繋がっていくと考えます。
昭和46年に建設の庁舎。
近くの自衛隊からの飛行機の騒音を避けるため、議場の回りは廊下で囲う工夫もされていました。 (現在、隣に新庁舎建設準備中)
●各務原市新庁舎建設基本設計【 概要版 】
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