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『道の駅』を地域活動化に活用 |
吉村 |
神田先生、今日はお忙しいなか、葛城市までお越しいただきあり難うございます。早速ですが、今葛城市では二つ目となる道の駅開設をめぐり、様々な意見があります。
私は、これまで反対の立場でしたが、議会で開設が承認され、実現へ向けた流れが出来つつあります。
先生は、かねて橿原市で道の駅設置を要望され、その熱意を感じた荒井知事が、今春、旧県立耳成高校跡地に農産物直売所及びレストラン、観光振興の拠点施設をオープンされ、連日、多くの来訪者で賑わっています。その経験から道の駅が地域に及ぼす影響についてアドバイスをいただけますか。 |
神田 |
実現のきっかけは、若い市民の方々からの要望があったからです。
橿原市や奈良県の担当者と何度も会合を重ね、観光や農林業振興に役立つ道の駅をめざしましたが、橿原市には荷が重かったようで、地元が主導する施設設備は実現しませんでしたが、旧耳成高校跡地を活用すれば実現できると考え、知事にお願いし奈良県主導の施設として、この四月からオープンしています。 |
吉村 |
先日、奈良政策研究会の研修で視察しましたが、大きな施設なので驚きました。全国でもトップク
ラスのようですね。 |
神田 |
そうですね。直売店も広いのですが、併設するレストランに大阪で活躍されている有名シェフを招き、地元の食材を使ったメニューで好評を博しています。
直売所には地元の方々が自慢の農産物や加工品を持ち寄り、イチゴなどは一か月で一千万円を売り上げた農家もいたそうです。 |
道の駅だけではもったいない |
吉村 |
葛城市が計画している道の駅には、十八億円もの税金が投入される予定で、今、先生が説明された橿原の施設を始め、近隣の同様施設との競合で経営が成り立つか心配しています。 |
神田 |
道の駅だけで勝負するのは少々危険ですね。そこには観光的な要素を盛り込む必要があると思います。 橿原の場合は、新たな観光地づくりとして「モミジの名所」を提案しています。京都市は十一月ともなれば、モミジを目当てに全国から約六百万人もの観光客が押し寄せ、大きな観光資源となっていますが、奈良県には桜の名所はあってもモミジとなると数えるほどしかありません。 |
道の駅を含めた総合的振興策を |
吉村 |
そのとおりですね。道の駅を観光も含めた地域振興に活用するのですから、有効に活用しなければもったいない。
葛城市の道の駅は、山麓地域整備計画を進める中で提起された経緯から、この地域を葛城市の観光資源として、どのように活用するのか明確なビジョンを示す必要があると思っています。
具体的には、里山に広葉樹を植えることで、先生が推進されているモミジの名所づくりを実現するとともに、治水効果や猪対策にも有効だと考えています。
これまで桜の名所として屋敷山公園、山麓地域があり、冬はボタンが知られていましたが、秋のモミジはありませんでしたので、この機会に、「モミジの名所づくり」を進めて行きたいと思います。 |
新たな名物づくりも重要! |
神田 |
葛城市でも設置されることが決まった以上、その施設をいかに有効活用するかが重要で、市民の皆様に具体的に提案することが議員の責務だと思います。
ところで、道の駅を活用する方策としてもう一つあります。それは食です。私は、橿原市の名物づくりに取り組み、奈良県産の奈良漬や大和茶を使った焼菓子を『ことか』の名前で販売する準備を進めているところです。集客力のある施設と新たな名所、名物が地域振興の三大要素だと思います。 |
吉村 |
葛城市には多くの休耕田がありますので、それらを活用した新たな農産物のブランド化、例えば奈良県の推進する漢方プロジェクト(※1)や桑の木や葉を使った商品開発を進めながら、私がかねてから取り組むスローフード(※2)を実現したいと考えています。 |
地域振興で就業率アップを |
吉村 |
地域が活性化すれば雇用の機会も増えます。特に女性の職業率は葛城市の場合、奈良県平均より高く四二%を占めています。また、男性も含めた県外就業率は、二五%と地元での雇用が少ない現実がありますので、観光及び産業振興で働く場
が拡大できればと思います。 |
神田 |
そうです。橿原市のまほろばキツチン(※3)も、雑草に覆われていた耳成高校のグランドが、声をあげることで、全国規模の農産物直売店に生まれ代わり、多くの雇用を生み出しました。地元の税収も上がることで更なる地域振興につながるものと思います。頑張ってください。 |
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解説 |
(※1)漢方プロジェクト【奈良県】
(※2)スローフード【Wikipedia】
(※3)まほろばキツチン【JAならけん】 |
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■ 山の整備について |
質問概要 |
森林の活用策として広葉樹を植えてはどうか。 広葉樹は、根が深いため土砂災害防止に役立ち、落葉は
スポンジの役目を果たし雨水を溜め、紅葉の景観は観光客を呼び込む利点があり早い整備を求める。 |
答 弁 |
葛城市の森林は良好な景観、自然環境の保全、水源涵養を増進させる環境保全林であり、その多面的機
能を発揮できるよう整備することは重要で、森林組合に提案したい。 |
■ コミュニティバスについて |
質問概要 |
公共バス利用の目的は、「買物」と「通院」が多いことから、これまでの公共施設循環からスーパー前にもバス停を設置し、外出を促すことで高齢者の健康増進に役立ててはどうか。 |
答 弁 |
これまでバス停増設の要望に対応して来れなかったが、奈良県の地域交通改善協議会で今後の課題とし
て検討し、市民の生活交通と位置づけるかどうか見極めたい。 |
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地域の安全・安心 |
阪神・淡路大震災や東日本大震災から学んだ教訓を今に生きる私たちは忘れてはいけません。自然災害から身を守るため第一にすべきことは、安全な場所に避難することです。
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地域防災の拠点となる自治会集会所を整備!
民間からの資金協力(CM等)を得て集会所にソーラー設置の実現をめざします。 |
子どもの健やかな育成 |
●葛城市で採れた安全な野菜の地産地消活動を、子ども達の給食に広げる活動を進め、4年前に約30%であった地産地消率を38.9%まで引上げ郷土食の普及に取り組んでいます。
●葛城市の女性就業率は奈良県平均よりも高く、働く女性が多いため学童保育への期待が高まっています。現在、保育時間は午後6時30分までとなっていますが、これを午後7時まで延長すべきと考えます。 |
高齢者福祉の充実 |
高齢者の方々が、安心して老後を送ることができる施設整備は当然ですが、元気な高齢者を増やす取り組みこそ必要で、社会との関わりを持続することが生きがいや運動の機会が増え、健康増進に役立ちます。コミュニテイバスの積極活用で外へ出る運動を展開します。
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高齢者が日々、元気に暮らせる社会の実現 |
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葛城の特養に車いす2台寄贈
奈良万葉ゾンタクラブ
●県中南部を拠点とする働く女性たちの奉仕団体「奈良万葉ゾンタクラブ」が、ム「ウォームヴィラ新庄園」に車いす2台を寄贈した。
上田施設長(左)に目録を贈る奈良万葉ゾンタクラブのメンバー(葛城市のウォームヴィラ新庄園で)
●同クラブでは、これまでにも県内の病院に車いすを寄贈しているほか、図書館へ本を贈るなど福祉や教育へのサポートを行っている。
●今回は、2 年に1 度開いているバザーの収益金などで購入。
11日に同ホームで行われた贈呈式には、同クラブの井上トシ子会長ら6人が出席。同ホームの上田晴一施設長に目録と車いすを贈った。
(平成25.7.17付 読売新聞)
奈良万葉ゾンタクラブの一員として神田県会議員ともども贈呈式に参加。 ゾンタクラブは働く女性達の国際的本仕団体です。
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